新型コロナウイルスの流行に伴う臨時特別給付金4630万円を、誤って1世帯に送金してしまったニュースがありました。原因は、銀行に提出した振込依頼書が間違っていたという「うっかりミス」。

ちょっとした不注意から深刻なミスに発展することは、珍しいことではありません。仕事をしていれば、誰もが当事者になる可能性があります。今回は、うっかりミスを防ぐ「個人でできるヒューマンエラー対策」について紹介します。

意識しなければヒューマンエラーをゼロにはできない

ヒューマンエラーとは、人間が起こすミスや失敗のことをさします。代表的なものは入力ミスや情報漏洩。誤字脱字や簡単な計算ミス、約束の時間を間違えるといった、注意していれば防げたはずの「ケアレスミス」もそのひとつです。

誰でも扱えるシステムを作っても、セキュリティ面を強化しても、ヒューマンエラーはゼロにはなりません。人間は間違いを起こすもので、これはどうしても避けられないこと。まずは、この事実をしっかり認識し、自分を過信しないよう心がけましょう。

コミュニケーションをよくとり、エラーを避ける

ミスはできる限り避けるために大切なことは、「わからないことはよく確認する」姿勢と、「おかしいと思ったらすぐに報告する」姿勢です。

一人で判断することはミスを生み出す要因となります。組織内で情報を共有し、複数人でチェックをすれば、ミスは避けられます。日頃から周囲ときちんとコミュニケーションを取り、確認や報告を怠らないようにして、ヒューマンエラーを未然に防いでいきましょう。

体調に気をつけ、集中力の低下を防いでミスをなくす

ヒューマンエラーをひき起こす原因のひとつが、集中力の低下です。

人間の集中力は、そう長くは続きません。仕方がないことですが、集中力が高い午前中に複雑で難易度が高いタスクに取り掛かるなどの工夫によって、ある程度のミスは避けられます。作業が続くときは、適宜休憩をとるのも大事なことです。

睡眠不足や運動不足、過度なストレスが続く場合も、集中力が持続できない傾向にあります。規則正しい生活を送り、体調をきちんと整えることも、ミスを防ぐためには大切な心掛けです。

ToDoリストやヒヤリハット事例をつくって役立てる

あやうく重大な事故になる一歩手前のできごとを「ヒヤリハット」といいます。職場内でヒヤリハット事例を共有することは、ミスや事故の防止に役立ちます。手帳やノートにまとめておくとよいでしょう。

依頼された仕事それぞれのタスクを「ToDoリスト」に書き出すのも有効。タスク漏れを確認できるほか、作業に優先順位をつけておけば、順位の高い一つのタスクに集中でき、単純なミスが減らせます。

こんな人は要注意！

気をつけてはいるんだけど、ケアレスミスをしてしまう。もしかしたら、以下にあてはまりませんか？

・メモを取らない
・スピードを重視する
・思い込みが激しい

人間の記憶力には限界があります。すべてを覚えようとするのではなく、メモを取って、正確に仕事ができるようにしましょう。

仕事をテキパキとこなすことは、悪いことではありません。ただ、スピードを重視するあまりに正確さが犠牲になってしまっては、元も子もありません。ミスが多いと感じる人は、スピードよりも落ち着いて慎重に作業することを意識しましょう。

今までのミスを思い返したときに、「自分のなかでこうだと決めていた」ということが多かった人は、いつも同じ順番で確認することを習慣にしましょう。一度正しいと思うと、自分で修正するのは難しいもの。「自分はときどきミスをする」を前提として、セルフチェックまでをひとつの仕事と考えれば、ミスは減らせます。

以上、ヒューマンエラーをなくすために個人でできる対策を紹介しました。どれも難しいことではありません。ちょっとした心がけと、気の持ちようが大切です。ぜひ参考にしてみてください。