2023/07/14
今の派遣の仕事を辞めたいと思ったときに、考えたい・行動したいこと
「職場の人間関係が最悪」「思うような仕事ができない」など、さまざまな理由で、今の派遣の仕事を辞めたいと思う人は多いでしょう。
派遣の契約期間内であっても、事情によっては退職も可能です。
ただし辞める理由と前後の行動によっては、その後の仕事やキャリアに大きな違いが生じてしまうため、安易に辞めてしまうと後悔することになるかもしれません。
今回の記事では、派遣の仕事を辞めたい理由と、次へ活かすために考えるべきこと・行動すべきことについて解説します。退職時の行動を決めるヒントになれば幸いです。
目次
派遣の仕事を辞めたい理由
多くの派遣社員が今の仕事を辞めたいと考える理由には、人間関係、想定した仕事内容との相違、自身のスキル不足、待遇への不満、体調不良、環境や家庭の変化があります。
「上司の性格が良くない」「パワハラに遭う」「派遣社員への差別がある」といった人間関係や労働環境の悩みは、派遣社員の多くが体験しているでしょう。
「自分のスキルを活かせない」「お茶くみ、コピー取りなどの雑用を押し付けられる」「聞いていたよりも業務量・残業が多い」といった、想定した仕事内容と実際の仕事との違いに不満を感じる人も多いようです。
また、「想定よりも給料が低い」「正社員との待遇差に納得できない」といった待遇への不満も多く聞かれます。
一方で「同僚よりも仕事のスピードが遅い」「仕事に付いていけない」など、自身のスキル不足が原因で離職を考えるケースもあります。
一部には体調を崩し、満員電車が辛くなった、家事との両立で過労状態に陥るなどの深刻なケースも。
また転居や家族の介護、子どもの受験サポートといった自分を取り巻く事情の変化で、やむを得ず退職するケースもあるようです。
「辞めたい」と思ったときに考えること・やるべきこと
派遣の仕事を辞めたくなるには、さまざまな理由がありますが、このときに注意したいのは、感情に流され冷静な判断ができなくなることです。
後先考えず辞めて後悔しないためにも、退職前に考えるべきこと・やるべきことを、次に挙げるポイントで抑えておきましょう。
・辞めたい気持ちを整理する
・派遣会社の担当者に相談する
・仕事に対して割り切る
・仕事以外の時間を充実させる
・働きながらスキルを身に付ける
・貯金をしておく
・注意!やってはいけないNG行為
辞めたい気持ちを整理する
退職を実行に移す前に、まず自分の置かれている状況と感情を整理しましょう。
辞めたい気持ちは一時的な感情に左右される場合もあります。現在の健康面と経済面も顧みて、冷静な視点から、現在の退職が適切かどうかを考えてみましょう。
そのとき、1人で抱え込まず誰かに相談することも大切です。第三者に聞いてもらうことで、自分では思いもよらなかった考え方や解決策が見つかることもあります。
派遣会社の担当者に相談する
派遣会社の担当者に、辞めたい理由と事情を正直に話しましょう。
担当者は、多くの社員と企業を把握しているプロのため、状況を詳細に伝えれば最善の対処法を提案してくれる可能性が高いです。
辞めたい理由によっては、条件に合う仕事を紹介してもらえるかもしれません。
もし契約期間満了前に退職したい場合にも、決して自己判断をせず担当者へ相談し、契約上の判断を仰いでください。
仕事に対して割り切る
仮に辞めたいほどイヤなことがあったときに、「どうせ期間限定だから」などと割り切ることもひとつの考え方です。
派遣社員は通常3か月の期間契約・職務限定で仕事をしています。そのため「契約満了までの我慢」「自分の仕事だけやればいい」と割り切れる点は、正社員にないメリットといえます。
簡単に勢いだけで辞めてしまわず、契約期間中に次の方向性を考えるなど、建設的な思考を心がけましょう。
仕事以外の時間を充実させる
仕事を辞めたくなったら、プライベートを充実させることもおすすめの切り替え法です。
趣味活動や友達との交流は気分転換になるだけでなく、思考がリセットされ新しい発想が生まれやすくなります。
働きながらスキルを身に付ける
仕事を辞めたくなったときに、スキルアップのために頑張るという考え方もできます。
一度立ち止まって「現在の仕事で習得できそうなスキルや、今後に活かせそうな職務はないか?」と考えてみましょう。
在職中に仕事を吸収しようと思えば、もう少し頑張れるかもしれません。
仕事のスキルが身に付けば、次にもっとよい条件の仕事を紹介してもらえるようにもなります。
そもそもスキル不足だけが辞めたい理由ならば、スキルアップすることで辞めずに済むはずです。
スキルを習得し資格を取るには、派遣会社の研修を受けることもひとつの方法。自分磨きのために、利用できるものは何でも利用しましょう。
貯金をしておく
退職を意識し始めたら、貯金をしておくことをおすすめします。
退職してからの生活と、次の就職が決まるまでの間に金銭上の不安が生じないよう、1〜数ヵ月分の生活費を貯金しておくと安心です。
生活費の不安がなければ、次の仕事選びで妥協せずに済みますし、在職中も気持ちが追い詰められず、冷静な判断を下しやすくなります。
やってはいけない!NG行為
派遣の仕事を辞めたいときに、やってはいけないNG行為もあるため、解説します。
ひとつ目は、派遣先に対する不満を、派遣会社でなく派遣先に直接伝えてしまうことです。
派遣先に直接不満を言うと、派遣先から派遣会社へ連絡が入り、関係がこじれてトラブルのもとになります。そうなると、派遣会社としても次の仕事を紹介しづらくなるのです。
逆に、角が立たないよう噓の理由を告げて辞めることも、避けるべきです。これでは辞職したい本当の原因を解決できないため、次の仕事で同じ失敗を繰り返す可能性があります。
さらに、何も告げずに辞める「バックレ」などはもってのほかです。
勤務先や派遣会社に多大な迷惑をかけるほか、自身の信用も失います。そうなれば次の仕事はまず紹介してもらえません。
もっとも派遣会社で退職が認められるのは原則、契約期間の満了時のため、期間満了を待たずに辞めたい場合は離職を切り出しにくいのも事実。
ただし以下のようなやむを得ない事情ならば、契約期間中の離職も可能な場合があるため、まずは担当者に相談してみましょう。
・体調不良
・転居
・家族の介護
・派遣先が原因のトラブル など
次につながる退職の仕方
退職を考えたときにやるべきことを把握したら、退職を次のステップにつなげるためには、どうすればよいかを考えましょう。
このあと具体的な手順を紹介します。
・辞意表明は契約満了の1ヵ月前に
・業務の引き継ぎを忘れない
・退職理由はポジティブに伝える
辞意表明は契約満了の1ヵ月前に
派遣契約の満了日の1ヵ月前には、派遣会社に辞意を伝えましょう。
退職の1ヵ月前に辞意を伝えるべき理由は、派遣先で後任者を探す時間が必要なためです。
辞意表明をする際には、契約の更新をしない旨を伝えます。なお、契約期間で就業しているため、退職届は必要ありません。
業務の引き継ぎを忘れない
退職の意を伝えたら、契約期間まではキッチリ任務を勤め上げ、後任者へ業務の引継ぎを行いましょう。
最後まで任務を全うし、漏れのない引き継ぎを行うことで、派遣会社からの評価も良くなります。
もし引継ぎをしないと、前の勤務先から後日確認の連絡が入る可能性もあります。自分も新生活に集中できるよう、退職前に業務の引き継ぎは済ませておきましょう。
退職理由はポジティブに伝える
今回の退職を次につなげるためには、仕事への意欲を表すために、ポジティブな退職理由を伝えましょう。
ここで退職理由別のポジティブな言い換えの例を紹介します。
・人間関係⇒「コミュニケーションを重視し、互いを高め合えるような環境で働きたい」など
・残業が多い⇒「ワークライフバランスを重視し効率よく働ける環境で働きたい」など
・待遇が悪い⇒「業務に見合う給料で働きたい」など
・希望していた仕事内容と異なる・契約外の仕事を押し付けられる⇒「専門分野(契約内の仕事)でスキルアップしたい」など
・正社員になりたい⇒「自分の裁量で幅広い仕事をしたい」など
なお長期療養が必要な体調不良の場合は、退職のやむを得ない理由に該当するため、そのまま伝えても問題ありません。
派遣の仕事を辞めるときはポジティブな考え方と行動をしよう
退職が頭をよぎったときには、まず退職したい理由を整理しましょう。
悩んだり判断に迷ったりするときには1人で抱え込むよりも、派遣会社の担当者などへ相談するほうが、客観的で的確な判断を下せます。
そして辞めるときには前もって退職を伝え、最後まで責任もって勤め上げることが大切です。
辞めたいと思ったときに責任あるポジティブな行動を取れるかどうかが、次の仕事につながる重要なポイントとなります。
もし今の派遣の仕事を辞めるとしても、建設的な行動で次のキャリアへとつなげましょう。