2023/11/07
年末調整の季節は働き方を見直すチャンス!年収の壁についておさらいしよう
10月後半から11月初めになると、職場で年末調整の話題が出てくるのではないでしょうか。
その際、よく交わされるのが、「扶養範囲内にしたいから、〇〇万円までに収入を抑えないと」
「今年は残業などで多く働いたから、〇万円の壁超えそう」といった言葉です。
税に関する法律や社会保障制度は、随時改正されています。ニュースなどで見聞きする機会もありますが、いま一つ分からないという方も多いもの。
今回は、年収の壁についておさらいしましょう。
年収の壁は「税金」「社会保険料」の支払が発生するかどうかの境目
よく聞く「年収の壁」は、住民税・所得税などの税金や、社会保険料を支払わなくてもいいように年収を抑制するための金額です。
日本では、年収が多くなればなるほど税金や社会保険料を支払う必要があります。その結果、給与から差し引きされるので、手取り金額が減るのです。
この壁は、「税制の壁」と「社会保険料の壁」の2つがあり、それぞれ壁となる金額が違うために、よくわからないという方が多いのではないでしょうか。
具体的には、税制の壁と社会保険料の壁と言われる金額は次の通りです。
・税制の壁(4つ)
100万円・103万円・150万円・201万円
・社会保険料の壁(2つ)
106万円・130万円
(出典:Freee株式会社「年収の壁を一覧でわかりやすく解説!今後の見直しについても説明」より)
この2つの壁を組み合わせて、それぞれの支払い義務が発生するかどうかを判断します。
家族状況などによっても変わる税額や社会保険料
収入の壁を越えたとしても、単純に年収だけで税額などが決まるわけではありません。
例えば、子どもや親など家族をご自身の扶養に入れている場合は扶養控除があるので独身で誰も扶養していない方と比べると、税額は少し安くなります。
また、ご自身が配偶者に扶養されている場合、扶養範囲の壁を越えて働くと、年収額によってご自身が支払う税額や社会保険料だけでなく、配偶者の税額にも影響が出ます。
具体的には、壁を越えた金額によって配偶者の会社から支給されている家族手当などの支給対象外になったり、配偶者自身が支払う所得税や住民税の金額が増えたりします。
もちろん、ご自身でも所得税や住民税を支払ったり、社会保険料の負担がでてきたりすることになるのです。
年末近くになって年収が思ったより多くなっている場合、慌てる事態になりかねません。
扶養範囲内に抑えるために、出勤日数を減らす必要が出て周りに迷惑をかけないように、毎月の収入を給与明細でしっかり把握しておくことが重要だと言えるでしょう。
実際には、家族状況や年収・扶養人数などによっても変わってきますので、配偶者と相談したり、早めに総務部などに確認したりすることが大切です。
年末調整は翌年からの働き方を見直すチャンス
年末調整自体は、勤務先の指示に従って所定の書類を提出することで滞りなく完了します。
しかし、自分の働き方と年収が税制や社会保障制度とどう関係しているのかを知っておくことは、今後を考える上でも大切なことではないでしょうか。
年収は1月〜12月の1年間で考えるのが基本です。年末調整が終わり、翌年1月から新たに年収のカウントが始まるタイミングは、働き方を変えるのにいい機会となります。
家族と話し合いながら、より自分や家族にとっていいと思える働き方を考えるチャンスにしてみてはいかがでしょうか。税金や社会保険料を負担すると、手取りが減るため一見損したように感じるかもしれません。その分、将来の年金受取額にも反映され、長い目で見ればお得となります。
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