2023/10/17
事務職はAIに仕事を奪われる?長く働き続けるために磨きたいスキル
少し前から「今私たちがやっている仕事の大半は、AIに奪われる」という話が度々話題に上がるようになりました。
書店の新刊や、雑誌の特集にも「生き残る仕事」「10年後になくなる仕事」といったタイトルが並んでいて、今の自分の仕事がそのうちなくなってしまうのでは…不安になる人もいるでしょう。
長く事務職として働き続けるために、磨きたいスキルについて考えてみます。
目次
AI技術はまだ開発途上にある
2023年に入って「ChatGPT」をニュースでも聞くようになりました。最近では、地方自治体や企業のホームページなどで簡単な質問に対し、自動で回答する機能を搭載しているのを見かけます。
こうした自動チャットの向こう側に人がいることもありますが、徐々に誰もが分かる簡単な内容や作業をAIやITの力で自動化するようになってきているのは事実です。
ただ、AIの本格的な導入についてはまだ見通せない部分があります。
その理由を解説します。
技術が開発途上にある
AI技術の研究・開発はまだまだ開発途上です。
日々、目覚ましい技術革新で今までできなかったことが簡単にできるようになったり、時間の大幅な短縮などができるようになったりしているのは事実です。
ただ、今後どのような形で私たちの生活や仕事にAI技術が取り入れられるのかについては、まだ技術が開発途上のためはっきりと見通せていません。
そのため、過度に不安がる必要はないのではないでしょうか。
情報流出・著作権侵害などの問題で何らかの規制が入る可能性も
ChatGPTは、実際に取り入れた自治体や企業でとても重宝されているのは事実です。
しかし、ChatGPTはインターネット上の情報を収集してくるという特性から、著作権を侵害する恐れがあります。また、便利な技術を取り入れることは業務上大切ですが、多くのシステムや技術を取り入れるとそれだけシステム障害や、情報流出のリスクも高まります。
今後、著作権侵害などの観点から、ChatGPTの利用に法律の制定などで何らかの規制が欠けられることは、充分考えられます。
実際に、欧州など一部の国では規制を掛けようとする動きも見られるのです。
AIが事務職に取り入れられると考えられるケースは?
では、事務職でAI技術を取り入れるとしたら、どのようなシーンが考えられるでしょうか。いくつかの場面を解説します。
代表電話やホームページの問い合わせ窓口などで定型的な回答を行う役目
既に、多くの企業などでも取り入れられていますが、代表電話の窓口として電話取次や、定型的な回答をする役目として取り入れられています。
「どのような用件か、番号を押してもらう」「簡単な質問について自動音声で回答」など、私たちも何らかの問い合わせでコールセンターなどに掛けた際、こうしたシーンに遭遇したことはあるのではないでしょうか。
事務業務の中でも定型的な作業
ビジネスソフトなどに入力した情報や、何万件もあるリストを一定の決まった処理をしたり、受け取ったデータを決められた通りに処理したりする作業については、プログラミングなどで処理内容を指示し、ボタンを押すだけでやってくれます。
既にある程度、ビジネスソフトなどで処理を行うのが当たり前となっていますが、今後はAIを組み合わせることで今まで以上に煩雑な作業を学習し、業務をおこなってくれることになるでしょう。
受付として一次対応
以前は、企業や自治体の窓口に人がいるのが当たり前でした。しかし、窓口に人を配置する企業や自治体は少なくなっています。
タッチパネルやロボットを置き、来客の取次ぎや簡単な窓口案内を代わりに行うことも増えました。今後はAIの技術で、今まで以上の案内ができるようになる可能性があります。
AIに負けないために事務職の中で磨きたいスキル
AIや機械化が進んでも、私たち人間でなければできないこともたくさんあります。
事務職と言っても、仕事内容は定型的な業務だけではありません。長く事務職で働くために今から磨いておきたいスキルについて解説します。
状況に応じて対応できる柔軟性
AIは、既に学んだことについては対応できますが、想定外の事態には強くありません。
事務職では、多くの人と関わる場面があります。その中で、想定外のことも起こりますし、毎回違う対応が求められることもあるでしょう。
同じような対応だったとしても、窓口対応などでは相手が変わりますので少しずつ内容も変わるはずです。
状況と相手に応じた柔軟性のある対応ができる方は、どんな職場でも重宝されるのではないでしょうか。
複数のビジネスソフトを使いこなすスキル
事務職では、ExcelやWordなどのビジネスソフトを使う場面も多くあります。
単純な入力だけなら、AIに仕事を奪われる可能性が高くなります。しかし、複数のビジネスソフトを並行して使いこなし、同時に関数やグラフ化などの操作を使いながら細かな表現を修正することはまだAIには難しいとされています。
職場で使っているビジネスソフトを、もう少し使いこなせるように勉強してみてはいかがでしょうか。
相手の意図を正確にくみ取り、具現化するスキル
資料作成などの場面では、定型のフォーマットに入力するだけではありません。時には「こんなものを作って欲しい」と新しい資料の作成をお願いされることもあります。
相手が望む内容を的確に具現化し、資料にすることは私たち人間だからこそできることではないでしょうか。
事務職で長く働くために必要なのは人間だからこそできるスキル
以上、事務職で長く働くために磨きたいスキルについて解説しました。
中には「そんなことでいいの?」と思った方もいるかもしれません。もっと高度なITスキルが必要だと思うかもしれませんが、人間だからこそできる柔軟性や予想外の出来事に対する対応は、当面AIには難しいと言われています。
ビジネスソフトを使えることももちろん大切ですが、それ以上に日々の細やかな気遣いや柔軟な対応力をぜひ磨いてみてください。